こんにちは!芽育 明来(めぐみ あくる)と申します。
この記事は上記リンクの続きのお話。ヤマトカブトとは何ぞや?どういうカブトムシなの?といったことをお伝えしてまいりました。
今度は実際に飼育しているヤマトカブトの幼虫を観察してみましょうか!
特に撮影したりまとめたりもなしにすでに160頭余りの幼虫のボトル交換を行った後で、残り32頭交換待ちという状況だったので、せっかくならとブログに書き起こしてみようと思います。
あまりデータの公開はしたくない方なのですが、差し支えない範囲で公開してみますのでよろしければ続けてごらんください。
今回マット交換をするのはこちらの2ラインを16頭ずつです。
すべて東京都産です。夢がありますね。
東京都A-2ライン
WD♂81.8㎜(頭角幅19.7㎜-胸角幅5.6㎜)×WF2♀54.7㎜(Aライン)
東京都Bライン
CBF1♂79.2㎜(頭角幅14.0㎜-胸角幅4.8㎜:Bライン)×CBF1♀51.1㎜(Bライン)
以下はラインの生い立ちの話なので飛ばしていただいて構わない箇所です。思い出話が8割くらいです。
現在のAラインやBラインは元をたどると2021年8月にボクが友人ら3人で採集した赤い73㎜の♂と47㎜の♀が始まりで、思えばここからがこだわりの加速地点だったのかもしれません。日本のカブトすら大きくできないなんて、しかもせっかく羽化させたのに殖やせなくて悔しい!が原動力だったように思えます。それが今では200頭近くを抱えるようになるなんて、夢にも思いませんでした。
当時はこのラインをBラインとし、赤くないもう少し大きなペアをAラインとしていました。ルフランの青ラベル(旧Aライン)をお持ちの方がいればそれはボクの思い出のラインなので、どんなに血を入れ換えてもいいので絶やさずに育てていただけると嬉しいです。
採集から1年経過し、採卵がうまくいかず絶えたAラインとは裏腹に、順調に採卵・孵化したBラインを正式にAラインへ変更し、同じ産地の赤い♂を購入してきてインラインとアウトラインを抱えました。これが現在のBラインです。同じころ、同産地で85.5㎜の♂を手に入れたのでこれと51.1㎜の♀を親とした旧Cラインを立ち上げ、一生懸命育てました。また、東京都23区内に別の採集ポイントを教えていただき、8月も終盤でしたが滑り込むように採集に出かけ、1ペアだけ採集しラインを立ち上げました。
そして今年、計4ラインを主に委託販売でシーズン中にしては多少割高でしたが販売し、無事にすべてほしいと思う方へお届けすることができました。ここで旧Cラインは手放しすぎて子孫を残せずボクの手からはいなくなりました。ちょうど同産地で意気揚々と3ラインほど野外個体を入手し、D,E,FとしていたのでCラインが絶えたことを確認してFをCと変更したことをここに記します。芽育明来の旧Cライン(♂85.5㎜の血筋です)をお持ちの方は、そのポテンシャルを生かせるよう手抜きせず育てていただければ幸いです。
以上が思い出話兼ラインの生い立ちです。この先はしっかり読んでいただければと思います。
結局のところ、現在の東京都第一地点は6ライン抱えておりまして、以下のようになっております。新ラインに関してはいずれも同一店舗購入個体につき今年同地点への採集へは出かけておりません。今年は神奈川県に進出したためです。来年は必ず行きます。
赤系
東京都A-1ライン(WF3)
WF2♂81.8㎜(頭角幅19.7㎜-胸角幅5.6㎜)×WF2♀54.7㎜(Aライン)
東京都A-2ライン(CBF1)
WD♂81.8㎜(頭角幅19.7㎜-胸角幅5.6㎜)×WF2♀54.7㎜(Aライン)
東京都Bライン(CBF2)
CBF1♂79.2㎜(頭角幅14.0㎜-胸角幅4.8㎜:Bライン)×CBF1♀51.1㎜(Bライン)
赤系(New!!)
東京都Cライン
WD♂71.5㎜×WD♀47.6㎜
黒系(New!!)
東京都Dライン
WD♂78.3㎜×WD♀49.0㎜
東京都Eライン
WD♂78.3㎜×WD♀47.6㎜
購入当初頭角幅など気にも留めなかったのでC~Eまでデータは残しておりませんでした。
DとEは♂親が同じなのでEをD-2としてもいいくらいだと思いますが、♀がそもそもWDでおそらく系統が違うので血の入れ替えなどあったとしたらと思い別としました。現に、この新たなラインではEラインが最も優秀なのです。今回の32頭には含まないのでまた機会があればデータを提示しますが、とにかく頭一つ抜けています。今から羽化が楽しみです。
さて、前置きが長くなりましたがやっていきましょう。
A-2ラインから行きます。
順番にA-2-19~A-2-34です。
データ表は以下の通りです。
見た感じ、♀の記録は良い方に思うのですが、♂はもう一声ほしいという結果に終わりました。頭幅は去年のデータもあるので雌雄差はわずかにあるものの小さい♂を超える♀が
いることもわかるのでこの結果は仕方ないとも思います。そもそも去年に続きアウトラインは調子が悪いので、実は母親だけでなく父親が幼虫時代に食べてきたものも大切なのではないかという仮説が立てられます。
さて、今回血の入れ替えに用いた♂が81.8㎜と大型で、さらに頭角幅19.7㎜の立派な個体でした。これが反映されているように思えるでしょうか。ボクとしては、残念ですが現段階ではいいえと答えるほかありません。すぐに結果が欲しい場合アウトラインし続けるより一度インラインでラインの性質を見ておいた方がいいと思いました。
Bラインも見てみましょう。
順番にB27~B42です。
データ表はこんな感じですね。
参考までに親世代のデータも公開します。↓
比較してみてください!これがアウトライン直後のインラインの力!!
このラインはまあ不全や死亡が多かった!という印象です。2本返しなんて少なすぎますし、大前提として割り出しが去年の今頃とは論外の遅さなので育て方に問題があったことは間違いありません。誰も頭幅11㎜を超えませんし、この親世代にもう今年の個体群が勝利しています。実に半年分のアドバンテージです。奇しくも体重部門暫定1位の個体はこのBラインから出てまいりました。とはいえまだまだ工夫の余地があります。
それにしても今年は生存率が高く、去年ほどではないもののこのラインは割と放置期間があったにもかかわらずこの結果!非常に優秀です。初手のWF1でWDの♂と掛け合わせているのですが、それが良かったのかもしれませんね。
A-2ラインが今まさに去年のBラインのような未来をたどっていますが、違いは今年のBライン同様比較的早く1本目にありつけたこと。次のA-2ラインは今年のBライン以上の飛躍を見せるでしょうか?期待が高まりますね。いずれはオオクワガタに起きたようなミラクルをヤマトカブトにも起こせたらと考えております。
まだ1本目に入れたばかりでくすぶっている個体がいることはいるので、次の更新では11月中に彼らのマット交換のようすを書くか一度現時点のデータをすべて公開して分析する回にするか迷っています。こっそりでも読んでいただけると嬉しいです。
ありがとうございました、また次回お会いしましょう!
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