top of page

ヤマトカブト飼育記2023-4

前回の記事


2024年になってから初の更新となり、いつの間にやら各自2本目または3本目を食いあがりまして、3月から徐々に最終ボトルへ移す作業をしてまいりました。4月18日には122頭もの幼虫を一挙に最終ボトルへと移し替えました。ここではまず系統ごとに分析したのち、最新体重に着目して昨年度との比較を交えながら反省点と改善点を書いてみます。




群馬&東京立川A1


群馬トップは03の37.4ℊ。去年なら喜んだのですが……。



立川A1のトップは01。親世代に惨敗で笑えない。80㎜はまず無理。


この表を見て、トップの個体を見て、わかることと言えば4本で返そうと救えない系統は救えない、です。一応A1の系統は思い出ライン唯一のインなので5頭しか残らなかろうと大事にしなくてはな、といったところです。3本返しにしてしまったのが悔やまれます。ただそれだけが原因だと思います。

一方で群馬は何なのだと。3本平らげておきながら20ℊを下回るとんでもない虚弱個体がいるほか、ここに来るまでに半分以上が途中で死ぬ始末。記録前の26頭から現在11頭。ありえない。撤退待ったなしです。一応37ℊの♂が出てきてくれたのはまあまあ良かったですが、これが80㎜に達しなかったらこんな虚弱で体重の乗らない系統は今年限りにしてしまおうと思います。血の入れ替えも苦労しますからね。



東京立川A2


父個体はこちら


母個体はリンク先1枚目の左側


こちらはさすがアウトライン!ほどよく幼虫が手元に残ります。リンク委掲載した通り、両親ともにものすごく立派な個体を採用しております。♀は自己累代の54.7㎜で、A1ラインの姉妹個体です。そこに頭角幅19.7㎜、全長81.8㎜の立派なWD♂を掛け合わせた美形特大個体を追うラインです。♀はAライン出身とはいえ赤くない個体。♂も赤くないのでここから赤い個体が出ることはないとみています。それでいいと思います。気になるトップ個体は……



A33がトップです。また37gかよ!


4本返しだと単純に足りない可能性は示唆しつつ、一つ可能性として考えているのはアウトラインだからじゃないかなと。去年のBラインもこんな具合でなかなか悲惨な結果に終わったんですよ。それでも今年ちゃんと続けてますけど!その理由も次を見てもらったらわかると思います。とはいえこの現実を受け止めるためにもう少し解析してみますね。

このラインの交換頻度が7月を1本目として、その後10月→1~2月→4月と3か月くらいの周期で交換していました。これじゃ不足なんだと思います。

容量の1100cc自体は少なくないのか!という声も聞こえそうですが、これは去年試験しました。2000ccブロー容器と2300ccクリアボトルを含め、一番成績が良かったのが1100ccです。81㎜3頭はすべて1100ccから出てきていました。だから問題なのは容積でなく交換頻度。まだ少ないんだと思います。8~9月の間にもう1本、12月にもう1本入れてやるともう少し伸びるような、そんな感じがします。食いあがっているのに体重の減った、そのくせ蛹化の気配もない個体がいたんで、間違いありません。



東京立川B


先に言います。全部の系統の中でダントツに成績がいいです。しかも3本返しでも他の系統に張り合えたり勝てたりしてます。アウトからのインは今のところ最強候補です。

早速トップの個体を見てください!



B32。なんと昨年度マイレコードを5.5ℊオーバー!彼こそが今年の王確定!


この系統自体が今年成績が良く、♀でも33ℊが2頭出てくるなど信じられないことが起こりっぱなしです。♀のマイレコード34.9ℊは去年の記録ですが、こちらは惜しくも塗り替えられませんでした。

では改めて48ℊの迫力を確かめましょう。




同服妹個体との比較です。

左B32 48.0ℊ 右B30 26.2ℊ


明らかに違う!!この時B32が入っていたボトルはマットが湿潤としていて食べやすかったろうなという印象があったため、やはり乾燥は大敵なようです。食い上がりに気づかないのが一番致命的ですが、まだ食える場合でも乾燥してしまえば糧にならないのです。

もしこのまま成長を続けてくれたなら、念願の85㎜を飼育で出せるようになると感挙げられます。そもそも37ℊが81㎜に化けたので、現時点で十分射程圏内です。本当にこれからが楽しみな系統です。元をたどれば思い出のAラインで、F1の段階でWDとのアウトラインにしたのがこのBラインですから、今思うと英断だったとしか思えません。



東京立川C&Dライン


お次はDラインが少ないので一気に行きます。また、ここからは幼虫の画像を貼ってもあの48ℊを前にするとすべてかすむので文面だけでの解析といたします。ご了承ください。


CDEは今回から導入の新ラインです。Cのみ赤狙い、他は黒狙いです。思い出Bラインという現在のBラインとは全く関係ない絶えたラインでは赤くない大きさ狙いでいっていましたが、明確に黒を狙っての掛け合わせはこのDと後で紹介するEが初となります。

ただ、こうしてみてみるとWF1でありながら40ℊアップが出てきたり3本返しでもちょくちょく35ℊを超える♂や25ℊを超える♀が出てきていて、やはり初期段階でどれだけいい環境をこさえてやれるかが重要なのではないかと考えられます。7-8月割出、8-9月に1本目、10月2本目、それからは1月3本目、4月4本目または3月3本目となっています。Cラインしか比べられるほどのデータがありませんが、4本目に突入した方は1月に補給ができている分わずかでも体重は増加していますね。とはいえ3本返しで38ℊの♂がいるのはかなり優秀です。

Dラインは数が少ないながらも♂が全員37ℊ以上でうち2頭が40ℊ以上です。割合だけで見ればDラインが一番大きくなっているように見えます。いずれも羽化が楽しみです。



東京立川Eライン


WF1の系統で唯一昨年度レコード42.5ℊに勝利した個体がE07です。もともとこの系統自体が多産な♀(生涯で100卵)を親としているためにものすごく期待している系統でした、Dとは父親を同じくする系統です。交換周期はCと変わりありませんので、同様に4本返しの方が良い結果となっていました、ざっと見た感じ、Bほど突出しているわけでもありませんが、♂の体重の乗りが良い系統に思えます。次回、仕事や収入次第ですが40ℊをアベレージにするのはたやすいといえるポテンシャルは感じられます。



東京2こと東京中野&横浜こと鶴見1A&B


中野区は今回あまり頭数を確保できず、この始末。3本返しとしては平均的な体重の乗り方。母数が少ないため何とも言えず。

鶴見1Aの1はエリア1という意味。エリアの振り分けは単にボクが採集に行った順番なのでこれ以上は秘密です。実は3本返しだとこの鶴見1Aが一番優秀。とんでもないダークホースだ!知っていたらちゃんと4本返しにしてたと思う。後悔のない飼育がしたいです、本当に。

鶴見1Bは元から全然とれておらず、記録時点で2頭だったので一度撤退して新生Bラインをまた採集して用意しようと考えています。Aが赤系、Bが黒系です。


次は最大体重を参照してどの程度腕前を成長させられたかなと振り返る時間です。


前提条件は以下の通りです。


昨年度35ℊOVER♂ 45頭中21頭

昨年度25ℊOVER♀ 37頭中20頭

全員2本返し


今年度は3-4本返しでばらつきがありますが

結果は……


今年度35ℊOVER♂ 88頭中52頭



今年度25ℊOVER♀ 97頭中63頭


これを%で見てみます。


昨年度35ℊOVER♂ 45頭中21頭(約46.6%)

今年度35ℊOVER♂ 88頭中52頭(約59.0%)


昨年度25ℊOVER♀ 37頭中20頭(約54.0%)

今年度25ℊOVER♀ 97頭中63頭(約64.9%)


おお!!めちゃくちゃよくなってる!!

一応目標というか目安としてこの値を基準にしています。

25ℊの♀は50㎜を目指せるし、35ℊの♂なら75㎜を難なく達成できるので、そこを上回るの初期の目標かなと思います。1本目の食い上がり時点で一応は達成できる値ですので、素質のある個体を見る目安にも使える黄金値です。

今回は確実に交換本数が増えているのでそれが良い方向に働いたとみています。もちろん国産カブト一本に絞れば8本仕上げもできると思いますがさすがに国産ヒラタなどもやりたいので現実的ではありません。もう少し交換本数を増やした場合にもっと良くなるのかは非常に非常に気になりますね。

今年度はもう羽化を待つのみとなってしまいますが、来年度、今年の産卵からは気を引き締めてすぐ1本目に投下できることを大前提に頑張っていけたらと考えるばかりです。


最後までお読みいただきありがとうございました!

来年度から動画にしてほしいなどあれば検討しますので応援の言葉としてぜひお願いいたします。また次回をお楽しみに!

閲覧数:29回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Comments


bottom of page